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正倉院宝物裂(しょうそういんほうぶつぎれ)

正倉院とは奈良時代の天平勝宝八年（756年）に、光明皇后が聖武天皇追善のために東大寺に献納した遺愛品を保存した宝庫です。この時代最高の各種工芸品や染織品に表された文様を正倉院文様といい、また時代の名を取って天平文様とよばれることもあります。

日本の古典文様の中で最古に位置付けられますが、その多くは渡来文様に影響されたものです。織物では、錦（にしき）。綴錦（つづれにしき）。羅（ら）。織成（しょくせい）。風通（ふうつう）など優れたものがあり、染色では天平の三纈（さんけち）とよばれる、蝋纈（ろうけち、今日のローケツ染）。纐纈（こうけち、絞り染め）。夾纈（きょうけち、板締め）があります。
それらに施された文様が現代のあらゆる日本国美術様式に格調高く表現され、今もなお愛好されています。

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